国交省に嘆願書を提出

「伝統構法住宅建築の継承・発展の道を築くための嘆願書」を国土交通省に提出した。これは、昨年末から山口棟梁が始めた嘆願書提出活動に賛同したもので、伝統構法住宅の建築が極めて困難になっている状況を打開する為に、施主や建築関係者の窮状を訴えるとともに、伝統構法の継承・発展に向けて国が採るべき政策を提言するものだ。

 

知人・親類にも嘆願書への署名をお願いしたところ、20人を超える方からご賛同いただいた。我らの分と皆さんから集まった分を取りまとめて、伝統構法を管轄している国土交通省住宅局住宅生産課へ提出した。わずかな人数の嘆願書で国が動くかどうか分からないけれど、実際に伝統構法で家を建てようとしている施主として、何かできることはやっておきたい。これから伝統構法で家づくりをしようと考えている人たちの為の地ならしになれば・・・。

 

<<以下、送付状の抜粋>>

 

  「伝統構法住宅建築の継承・発展の道を築くための嘆願書」の提出について

 

(前半省略)背景と理由について説明いたします。

 

 私は、伝統構法による住宅建設を合法的に実現しようと努力されている山口さんを信頼し、これまで準備を進めてきましたが、建築基準法改正によって建築確認や適合判定に関わる時間、労力、費用が大幅に増加しており、工程が1年近く停滞している状況です。このままでは一般の住宅で伝統構法を採用することは難しいと実感しています。

伝統構法は我が国において地域特性を反映しながら発展してきた歴史あるものだと認識していますが、建築基準法上適正な位置づけがなされていないことや、構造を審査・判定する側で技術・知見が不足していることなどから、事実上、建築ができなくなっています。これは、我が国の住宅行政のみならず、建築文化の継承という観点からも大きな問題だと思います。

 

今回、私は、そうした現状を改善しようとする山口さんの嘆願書提出活動に共感し、伝統構法による住宅建築の継承・発展を望む施主の立場から、自らも嘆願書を提出することといたしました。私を含めて伝統構法住宅を望む全国の施主や建築実務者の皆さんの窮状をご理解いただき、早急な対応をお願いする次第です。

なお、本活動の主旨に賛同する私の親類・知人からも嘆願書に署名いただきましたので、併せて提出します。                          

 

国土交通省 住宅局住宅生産課

伝統構法担当者 殿