カビ退治

建前が梅雨時に重なってしまい、屋根が出来上がるまでに随分雨に濡れてしまったので、梁や差し鴨居のあちこちにカビが出てしまった。ヒノキを用いた柱や足固めには殆ど出ていないのだが、スギを使った部分は結構やられてしまった。スギは材としてもカビが出やすい部類で、樹の伐採時期やその後の乾燥期間によってもカビが出やすくなる場合があるらしい。自然素材は難しい。

 

スギであっても、一般的な規格材を用いた場合は、乾燥処理までしっかりした材が流通しているのだけれど、我が家の場合、材のサイズが規格外に太いものが多いので、しっかり自然乾燥させるには数年を要してしまうらしい。そうした良質な材は極めて少ないので、十分な乾燥ができなかったものが混ざってしまったようだ。

 

出てしまったものは仕方がない。落とすしかない。山口棟梁と相談し、「洗い屋」なる職人さんにカビ洗いをお願いすることにした。洗い屋さんは主に神社仏閣のシミやカビを落とす白木洗い専門の職人さんで、お願いすれば住宅も洗ってくれる。我が家はこれから壁や内装ができるとカビが隠れてしまって洗えなくなってしまうので、今の時点で一度徹底的にキレイにしてもらうことにした。幸い、暑くて雨の降らない日が続いていたので、洗いには絶好のコンディション。

 

作業は数日間。高いところでは小屋組みの一番上まで、ジャングルジムのように交差している部材を上ったり下りたりしながら、一通り洗ってもらった。結果を見ると、さすがプロ。かなり目立っていたカビが殆ど目立たなくなり、見違えるほどキレイになった。完全に取りきることは難しいので、多少は跡が残る部分もあるけれど、自然素材だから仕方ない。聞けば、あまり強く洗うと木肌を痛めてしまうし、漂白材の使用も増えてしまうので、ころ合いが難しいとのこと。風通し良くしてカビが出ないように心掛けないと。