着工から1年経ちました

 伝統構法での家づくりを目指して5年、工事着手して1年が経った。

 いやー長いようで・・やっぱり長い。まだまだ続くしなー。

 家づくりに関しては、天候が気になる1年だったが、梅雨や台風は例年に比べ雨量も少なく助かったものの(それでもカビが生えた)、夏の猛暑は長く厳しかったので職人さんも大変だったことだろう。冬もきっちり冬らしい寒さで漆喰塗の開始が遅れるかと思ったが、天候を見ながらなんとか順調に進めてくれている。そしてようやく春の兆しが感じられるようになったと思ったらあの大震災。我らの現場は震度5程度だったと思うが、棟梁いわく「これくらいでは全く問題ありません!」との力強いお言葉。安心安心。それでも近所の家では瓦が落ちたりしてたのだ。

 それにしてもあのような巨大な自然のパワーを見せつけられると、我らは地球の表面に必死で張り付いている頼りない存在だなーと感じる。人工建造物だってしかり。我らの家は基礎とその上の部分が固定されておらず、揺れのパワーを受け流すような構造だからこれはこれで納得なのだが、いっそのこともっと自然のパワーに「柔」でありたい、例えば遊牧民のパオみたいなのがよかったんじゃないか、と思ったりしてしまう。

 また新たな認識として、我らの家は津波には大変脆弱である。大水がきたら基礎を残して家は容易に流されるだろう。でも頑丈だからノアの箱船よろしく船がわりになるかもしれない。また流れ着いた先でそのまま使えるかもしれない。そうならないことを願うが。

 ともあれ、順調にいけば今年の秋には完成する予定だ。関係する職人さん方、よろしくお願いいたします。