流しを運ぶ

 およそ4年の間、現在住んでいる借家に寝かせておいた「流し」を、いよいよ新居へ運び入れる日が来た。

 そもそもなぜ、流しを早々と4年前に購入したかというと・・・。流しや洗面台などの設備を探し始めていた当時、雑誌でみかけた辰巳工業の流しが目に止まり、工場へ見学に行って社長さんの話を伺ったり、具体的に見積もりの相談を始めていた。昔から、流しも洗面台もキャビネットタイプばかり使ってきたが、水廻りの設備であるにもかかわらず、キャビネットの裏側(壁)や床は掃除も通風もできず、なんとなーく気持ち悪い思いをしていたので、自分で選べるなら足元はオープンタイプと決めていた。辰巳工業の流しは四つ足で十分な厚みのステンレスと無垢材を使ったシンプルなものでまさに希望どおり。見積もりを進めていると間もなく、な、なんと、辰巳工業倒産との連絡が、続いて在庫セールも始まり、希望していた流しが破格の値段(5万円ポッキリ!)となっていた。というわけで迷わず即購入。

 そして4年後の盆の入りの今日、借家の脇を流れる水路を跨いで、流しが宙を泳いでいったのでした。めでたしめでたし。